開業資金を借りる(創業融資)

前のページでは「日本政策金融公庫」で「創業融資」を受けるための条件、準備などについてご紹介しました。このページでは、実際にご自身の力で創業融資を受けるための一般的な流れをご紹介します。

※開業後に融資を申し込む、テナントが決まった状態で融資を申し込むなども可能です。

ちなみに日本政策金融公庫では、テナントは融資の結果が出てから本契約をオススメしますと参考資料の中で明記しています。

 

おおまかな流れ

0,相談の前の事前準備

1,相談予約をする(相談会に参加する)

2,相談(面談)に行く(融資の種類を教えてくれる)

3,必要な情報、資料を用意する(テナントが見つかったらすぐに申し込めるように)

4,テナントを見つける、仮契約等をする

5,借入申込書を提出する(郵送する)

6,面談(審査)を受ける

7,融資決定、振り込み

 

0,相談の前の事前準備

日本政策金融公庫では、創業したい方に向けて様々な取り組みをしています。面談や電話相談だけでなく、無料のセミナー、オンラインセミナー、動画配信、メールマガジンなどもあります。

日本政策金融公庫 創業支援」のページをご覧になると良いと思います。このページにある「創業の手引き」だけでも読んでみましょう。

ここでもオススメされていますが、分かる範囲で「創業計画書」を書いてみましょう。創業計画書を用意することで、公庫や専門家への相談もしやすくなると思います。創業計画書の書き方は動画で紹介されています。

また「先輩起業家に学ぶ」というページもオススメです。どういった準備をしたか、どのくらいの期間がかかったか、どうして公庫での融資を選んだか、などが書かれています。

その他、そもそも日本政策金融公庫で借りるかも含めて、行政書士や税理士などの専門家に相談しても良いかもしれません。

 

1,相談予約をする(相談会に参加する)

通常であれば、創業を考える方向けの様々なセミナーが開催されています。しかし、コロナ禍でなかなか対面でのセミナーが難しいようです。

まずは「創業ホットライン」という電話相談がオススメです。その後、札幌支店、札幌北支店などで面談して事前相談をすることになると思います。

 

2,相談(面談)に行く(融資の種類を教えてくれる)

面談では利用できそうな融資の種類、融資までのスケジュール、融資を受けるためにはどんな資料や準備が必要かなどを教えてくれます。場合によっては実務経験を積むことなどもアドバイスされるかもしれません。

 

3,必要な情報、資料を用意する(テナントが見つかったらすぐに申し込めるように)

本気で融資を申し込む場合、いよいよ申請の準備が必要です。身分証明書のコピー、通帳のコピー、源泉徴収票のコピーなど、審査に必要な書類を用意します。なにより「創業計画書」を完成させる必要があります。これまでは「相談のための創業計画書」でしたが、いよいよ融資審査のための創業計画書が必要です。具体的に店舗の広さ、賃料、光熱費、想定する利益などを計算しなければなりません。

 

4,テナントを見つける、仮契約等をする

次項で説明する借入申込書を提出する前に、基本的にはテナントが決まっている必要があります。ただ、実際に契約には大金が必要となるため、融資が決まってからでないと本契約できないことが多いと思います。そこで、仮契約という形をとることになります。仮契約についてはテナント仲介に詳しい不動産会社さんに相談しておけば問題ありません。また、テナントはすぐに見つかるとは限りませんので、なるべく早く探し始める方が多いでしょう。

仮契約をすると、融資申し込み、融資実行とどんどん進めていく必要があります。仮契約をしても、本契約をするまで絶対にテナントが借りられるとは限りません。時間は限られています。つまり、ここまでの段階で「確実に融資が実行されるための準備」が必要となります。

 

5,借入申込書を提出する(郵送する)

すべての書類を郵送、また窓口に持参して、融資を申し込みます。数日で公庫より面談日のお知らせが郵送されてきます。

 

6,面談(審査)を受ける

融資審査のための面談が行われます。だいたい1時間程度です。その後、店舗での実地調査があります。

 

7,融資決定、振り込み

面談&実地調査から1週間から2週間程度で、融資の可否について郵送で通知があります。手続きを行い、数日で指定の口座に入金があります。仮契約から融資実行まで約1か月です。

基本的には以上がおおまかな流れです。

その後は内装工事、家具や什器の調達やリース、看板やメニューの発注、人材の確保やシミュレーション、保健所の検査など、怒涛の作業が待っています。

融資には「テナントの仮契約までに入念な準備が必要」ということがご理解いただけると思います。もし、仮契約を行っても融資がおりない場合、とっても困ったことになります。また、テナントの契約日から開業日を短縮し、無駄な賃料の発生をできるだけ抑えることも大切です。